1999年5月9日 新刊 私の◎○
「母なる色 / 志村ふくみ」求龍堂 2200円
「悲しみのゴンドラ / T.トランストロンメル」E.デューク訳 思潮社 2400円
「ピカソ ジャコメッティ ベイコン / M.レリス」岡谷公二編 人文書院 3900円
1999年6月13日 新刊 私の◎○
「潤一郎ごのみ / 宮本徳蔵」文藝春秋 1714円
「てんやわんや / 獅子文六」毎日新聞社 1600円
「俵屋の不思議 / 村松友●」世界文化社 2600円
1999年7月18日 新刊 私の◎○
「訳詩集 シテールへの旅」井上究一郎訳 小沢書店 4600円
「駒井哲郎 若き日の手紙 「夢」の連作から「マルドロオルの歌」へ」加藤和平・駒井美子編 美術出版社 3500円
「堀田善衛詩集 一九四二～一九六六」集英社 3000円
1999年8月29日 新刊 私の◎○
「翼のはえた指 評伝安川加壽子 / 青柳いずみこ」白水社 2400円
「おばあさんになるなんて / 神沢利子」晶文社 1600円
「バスにのって / 田中小実昌」青土社 1600円
1999年10月3日 新刊 私の◎○
「壁のしみ / ヴァージニア・ウルフ」川本静子訳 みすず書房 2600円
「溺レる / 川上弘美」文藝春秋 1238円
「むずかしい愛 現代英米愛の小説集」柴田元幸編訳 畔柳和代訳 朝日新聞社 1800円
1999年11月7日 新刊 私の◎○
「サイレント・ガーデン－滞院報告・キャロティンの祭典 / 武満誠」新潮社 3200円
「サイトメガロウイルス / エルヴェ・ギベール」黒木實訳 松籟社 1500円
「ひかりの引き出し / 島尾伸三」青土社 1600円
1999年12月12日 新刊 私の◎○
「金輪際 / 車谷長吉」文藝春秋 1524円
「小山清全集」筑摩書房 12000円
「短編歳時記 / 森内俊雄」講談社 2500円
2000年2月6日 新刊 私の◎○
「ディフェンス / ウラジーミル・ナボコフ」若島正訳 河出書房新社 2200円
「回想のなかのカフカ 三十七人の証言 / ハンス＝ゲルト・コッホ編」吉田仙太郎訳 平凡社 3800円
「坊やはこうして作家になる / 片岡義男」水魚書房発行 星雲社発売 2400円
2000年3月12日 新刊 私の◎○
「文学私記 / 竹西寛子」青土社 1800円
「在るものの誘惑 / 前田英樹」現代思潮社 2800円
「古くさいぞ私は / 坪内祐三」晶文社 2600円
2000年4月16日 新刊 私の◎○
「イタリア文学を歩く / 井出正隆」あざみ書房 1800円
「ラテンアメリカ文学バザール / 杉山晃」現代企画室 2000円
「半分は表紙が目的だった 100冊のペーパーバックスにアメリカを読む / 片岡義男」晶文社 2400円
2000年5月21日 新刊 私の◎○
「けったいなアメリカ人 / 米谷ふみ子」集英社 1700円
「ヒナギクのお茶の場合 / 多和田葉子」新潮社 1500円
「彼女（たち）について私の知っている二、三の事柄 / 金井美恵子」朝日新聞社 1500円
2000年6月25日 新刊 私の◎○
「プリオキュペイションズ－－散文選集1968－1978 / S.ヒーニー」室井光広ほか訳 国文社 4500円
「葡萄酒とパン / I.シローネ」斎藤ゆかり訳 白水社 2500円
「イカロスの飛行 内戦のギリシアを旅する / K.アンドリュース」松永太郎訳 みすず書房 2800円
2000年7月30日 新刊 私の◎○
「石原吉郎評論集 海を流れる河」同時代社 2800円
「遺稿からの詩篇 / パウル・ツェラン」飯吉光夫訳 ビブロス 3600円
「尽き果てることなきものへ 喪をめぐる省察 / ミッシェル･ドゥギー」梅木達郎訳 松籟社
2000年9月10日 新刊 私の◎○
「若い小説家に宛てた手紙 / マリオ・バルガス＝リョサ」木村栄一訳 新潮社 1600円
「黒い犬 / イアン・マキューアン」宮脇孝雄訳 早川書房 2400円
「アプロネニア・アウィティアの柘植の坂 / パスカル・キニャール」高橋啓訳 青土社 2400円
2000年10月15日 新刊 私の◎○
「須賀敦子全集 第7巻」河出書房新社 5400円
「言葉の向こうから / 吉田加南子」みすず書房 2700円
「北園町九十三番地 天野忠さんのこと / 山田実」編集工房ノア 1900円
2000年11月19日 新刊 私の◎○
「敷居学 ベンヤミンの神話のパサージュ / W.メニングハウス」伊藤秀一訳 現代思潮新社 2400円
「エリス島物語 移民たちの彷徨と希望 / G.ペレック」酒詰治男訳 青土社 2400円
「まるごと一冊ロアルド・ダール / R.ダール」評論社 7500円
2000年12月24日 新刊 私の◎○
「ランボー、砂漠を行く アフリカ書簡の謎 / 鈴村和成」岩波書店 3400円
「永瀬清子 / 井坂洋子」五柳書院 2000円
「飢えた孔雀 父、村野四郎 / 村野晃一」慶應義塾大学出版会2800円
2001年2月11日 新刊 私の◎○
「渡り歩き / 岩田宏」草思社 2300円
「日本語を書く部屋 / リービ英雄」岩波書店 1800円
「セルフポートレイト 異国にて / ジャン＝フィリップ・トゥーサン」野崎歓訳 集英社 1200円
2001年3月18日 新刊 私の◎○
「体の贈り物 / レベッカ・ブラウン」柴田元幸訳 マガジンハウス 1600円
「過ぎて行く歌 / 斎藤史」河出書房新社 1800円
「ツヴァイク短編小説集 / シュテファン・ツヴァイク」長坂聰訳 平原社 2800円
2001年4月1日 呪詛と愛に満ちた迫真の文章（1910）→『本の音』
「愛別猫別雑記 / 笙野頼子」河出書房新社 1600円
2001年5月13日 孤独な探偵が見いだした「いま」とは（1311） →『本の音』
「私たちが孤児だったころ / カズオ・イシグロ」入江真佐子訳 早川書房 1800円
2001年6月3日 形式の制約が想像力を広げる（1318） →『本の音』
「葉書でドナルド･エヴァンスに / 平出隆」作品社 2800円
2001年6月24日 恋を縦糸に 読む「歓び」語る（1282） →『本の音』
「フランス小説の扉 / 野崎歓」白水社 2200円
2001年7月1日
「眼のない自画像 / 木村林吉」三好企画 1800円
2001年7月15日 闇の底から引き出された希望（4555）→『振り子で言葉を探るように』
「梯の立つ都市 冥府と永遠の花 / 日野啓三」集英社 1700円
2001年8月5日 世紀を超えてなお艶めく傑作
「赤い百合 / アナトール・フランス」杉本秀太郎訳 臨川書店 2800円
2001年9月2日 小さな差異が理解への扉開く（1901）→『本の音』
「I was born ソウル･パリ･東京 / ミーヨン」松柏社 1600円
2001年9月23日 触れ、触れられが生む信頼感（1293） →『本の音』
「マッサージ台のセイウチ グリエルモ先生の動物揉みほぐし診療記 / A・グリエルモ、C.リン」小野田和子訳 早川書房 1900円
2001年10月14日 頑固者ふたり、創作の奥義語る（1913）
「小説修業 / 小島信夫、保坂和志」朝日新聞社 1600円
2001年11月4日 だから、あなたも、息抜いて（1902） →『本の音』
「スロー・イズ・ビューティフル / 辻信一」平凡社 1800円
2001年11月18日 ローテクがかもす魔性の魅力
「ソビエトカメラ党宣言 / 中村陸雄」原書房 1600円
2001年12月2日 音と言葉でつむぐミステリー
「水の音楽 オンディーヌとメリザンド / 青柳いづみこ」みすず書房 2800円
2001年12月23日 謎解きとともに描く内戦下の心の闇
「アニルの亡霊 / マイケル・オンダーチェ」小川高義訳 新潮社 2100円
2001年12月30日 書評委員お薦め今年の3点
「愛別外猫雑記 / 笙野頼子」河出書房新社 1600円
「葉書でドナルド・エヴァンズに / 平出隆」作品社 2800円
「島村利正全集」全4巻 未知谷 各1万円
2002年1月20日 モノを生き延びさせる愛と欲望（5229）→『振り子で言葉を探すように』
「人が見たら蛙に化れ / 村田喜代子」朝日新聞社 1900円
2002年2月10日 青年将校を駆り立てたものは
「カナダの文学<４> 戦争 / ティモシー・フィンドリー」宮澤淳一訳 彩流社 2500円
2002年3月3日
「グルーム / J・ヴォートラン」高野優訳 文春文庫 781円
2002年3月17日 静かに焚き出される死の香
「暖炉 野溝七生子短編全集」展望社 5200円
2002年4月28日 残尿感に似た記憶のわだかまり（4559）→『振り子で言葉を探るように』
「あべこべ / 久世光彦」文藝春秋 1571円
2002年5月26日 少女が触れた戻らぬ時の宿命
「偶然 帆船アザールの冒険 / J.M.G.ル.クレジオ」菅野昭正訳 集英社 2300円
2002年6月9日 本当に「おさるさん」でした
「アイアイの謎 / 島泰三」どうぶつ社 1500円
2002年6月30日 まろやかで かすかに苦い7編
「リサ伯母さん / 山田稔」編集工房ノア 2100円
2002年7月14日 「遊び」と「物理」に架ける橋
「おもちゃと金平糖 / 戸田盛一」岩波書店 2800円
2002年8月25日 静謐と残酷に震える短編の力
「壜の中の手記 / ジェラルド・カーシュ」西崎憲ほか訳 晶文社 2000円
2002年9月15日 不条理列車で「あなた」はどこへ（4836）→『振り子で言葉を探るように』
「容疑者の夜行列車 / 多和田葉子」青土社 1600円
2002年10月20日 20年続いた文芸時評、情熱の「作品」
「変容する文学の中で 上・下 / 菅野昭正」集英社 各4200円
2002年11月10日 強い海風に煽られた破局の物語
「トリエステの謝肉祭 / イタロ・ズヴェーヴォ」堤康徳訳 白水社 2500円
2002年12月22日 謎の開示と真実の隠蔽担う甘美な声（5233）→『振り子で言葉を探るように』
「本格小説 上下 / 水村美苗」新潮社 上1800円 下1700円
2002年12月29日 書評委員お薦めの「今年の3点」
「偶然 帆船アザールの冒険 / ル･クレジオ」菅野昭正訳 集英社 2300円
「リサ伯母さん / 山田稔」編集工房ノア 2100円
「容疑者の夜行列車 / 多和田葉子」青土社 1600円
2003年1月19日 毎日バナナを二十本ぐらい、だよ
「中島敦 父から子への南洋だより / 中島敦」川村湊編 集英社 3000円
2003年2月9日 ふたりで詠みあう、開く心の景色（4551）→『振り子で言葉を探るように』
「贈答のうた / 竹西寛子」講談社 2800円
2003年3月2日 鈍いまでの思慮深さに宿る幸せ
「ソーネチカ / リュドミラ・ウリツカヤ」沼野恭子訳 新潮社 1600円
2003年3月23日（5250）
「闇屋になりそこねた哲学者 / 木田元」晶文社 1600円
2003年4月20日 「復活」のカギは消費者にあり
「炭焼きの二十世紀 書置きとしての歴史から未来へ / 畠山剛」彩流社 2000円
2003年5月18日 あたりまえのことなんて...あるのかな
「テーブルはテーブル / ペーター・ビクセル」山下剛訳 未知谷 1600円
2003年6月22日 気ままに生きた才人たちの存在感
「二列目の人生 隠れた異才たち / 池内紀」晶文社・230ページ 2200円
2003年7月20日 善意・偏見・良識・信心、救いは・・・
「フラナリー・オコナー全短編」上・下 横山貞子訳 筑摩書房 各3600円
2003年9月7日 天国へも地獄へも、無想の上下運動
「階段 / エヴリーヌ・ペレ＝クリスタン」鈴木圭介訳 白楊社 2300円
2003年10月5日 埋め込まれた記憶を掘り続けて
「アウステルリッツ / W.G.ゼーバルト」鈴木仁子訳 白水社 2200円
2003年11月9日 通念の曇りをぬぐい取ってみると
「モランディとその時代 / 岡田温司」人文書院 4800円
2003年12月7日 今よみがえる「遊戯的」な作品群
「平林初之輔探偵小説選 ⅠⅡ / 平林初之輔」論創社 Ⅰ2500円 Ⅱ2600円
2003年12月21日 書評委員お薦めの「今年の3点」（4837）
「テーブルはテーブル / ペーター・ビクセル」山下剛訳 未知谷 1600円
「アウステルリッツ / W.G.ゼーバルト」鈴木仁子訳 白水社 2200円
「フラナリー・オコナー全短編」上・下 横山貞子訳 筑摩書房 各3600円
2004年1月25日 深く、血なまぐさく、豊饒な、闇
「十二夜 闇と罪の王朝文学史 / 高橋睦郎」集英社 2300円
2004年2月22日 プーさんの生みの親の多彩な活動
「ミルン自伝 今からでは遅すぎる / A.A.ミルン」石井桃子訳 岩波書店 3600円
2004年3月14日 綿々と続く分にひそむリズムと明るさ
「消去 / トーマス・ベルンハルト」池田信雄訳 上2800円 下3000円
2004年3月28日 半世紀ぶりに紹介される大家の小説
「クレモニエール事件 / アンリ・トロワイヤ」小笠原豊樹訳 草思社 1600円
連載終了